山の状況は常に変化します。くわしくはこのウェブサイトについて
甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根を歩いた翌週、せっかく付いた体力を維持したいなーと思い、電車+バスでアクセスできる丹沢山塊の「畦ヶ丸(あぜがまる)」を歩いてみたのでレポートします。
ふじはらレート |
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好き度 ★★★☆☆・・・歩きごたえのトレーニング要素+訪問者が少なく静か 案内板の有無 ★★★★☆・・・案内板は多く、基本はわかりやすいが、沢沿いは不明瞭な個所もある 静かさ ★★★★☆・・・登山道通して静か 眺望 ★☆☆☆☆・・・あまりない 駐車場 ★☆☆☆☆・・・あまりないので公共交通機関での訪問がおすすめ |
■今回歩いたルートはこちら
(右下の「山行記録のページへ」のリンクをクリックするとヤマレコへ移動します)
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登り始めの標高 540m / 最高地点の標高 1292m |
訪れた時期 2021年9月下旬 |
当日のコースタイム(寄り道したりすることもあるので参考程度に。) 西丹沢ビジターセンター発 08:48 – 10:44善六ノタワ11:42 – 畦ヶ丸11:49 – 11:55畦ヶ丸避難小屋 – 12:33大滝峠上 – 13:12一軒屋避難小屋 -14:21大滝橋バス停着 |
歩行時間 約 5時間 20分 |
歩行距離 約 9.1km |
■登山口へのアクセス
畦ヶ丸への公共交通機関でのアクセスは、
小田急線・新松田駅前(JR御殿場線・松田駅目の前)から、富士急湘南バス「西丹沢ビジターセンター行」で向かいます。(ICカード利用可能)
今回利用したバスは以下の通りです。
(季節によってバスの時間が変更になる場合がありますので、公式HPにて確認の上利用してください。)
往路 新松田駅 7:20発 → 西丹沢ビジターセンター 8:31着 復路 大滝橋 14:47発 → 山北駅 15:34着
※山北駅前に温泉施設「さくらの湯」があり、前回利用した際とてもよかったので寄ったのですが、この日は超残念ながら休館でした。山北駅からJR御殿場線で帰宅。
自家用車でアクセスの場合ですが、西丹沢ビジターセンター周辺には大型駐車場はありません。路上駐車への注意喚起もされているようなので、なるべくバス利用にて訪問しましょう。
(ビジターセンターの駐車場は10数台程度でした)
■登山レポート
JR御殿場線の松田駅に到着したら、「小田急線乗り換え」の案内に従い、南口から出ます。御殿場線はたしかほぼほぼ、自動改札が通れない(至極不便)ので、駅員さんにICカードの処理をしてもらいます。
(右)の写真は、到着後、小田急線の新松田駅から見たバス停の写真。1番乗り場のバス停が、「西丹沢ビジターセンター行」です。
この日は天気が曇りだからか、乗車率は7-8割くらいでした。
この日は定刻通りにビジターセンターに到着。
トイレを済ませ、登山届を提出して出発します。
登山道へ向かうつり橋の前の注意書き。
「この先の沢では大雨のたびに木橋が流れ、通行が困難になります。登山はすべて自己責任、引き返す勇気も大切です。」
今回のコースは沢沿いが多く、浅い部分の渡渉も非常に多いです。平時はミドルカット以上の防水シューズであればほぼ問題ありませんが、大雨後数日は避けるのが無難かと思います。
登山道はつり橋からスタート。下の川がキレイすぎます。
まずは川の右岸を、ピンクテープを目印にして進んでいきます。(渡渉が多いため、右岸・左岸は頻繁に変わります)
このコースのヤマレコの登山記録を見ていると、「迷った」と書かれているものがいくつもありました。ガスが出ていたりすると、さらに迷いやすかったりするので、かならずGPS機能のあるスマホなどで現在地を都度確認しながら進みましょう。
登山道を通して、木橋の数は非常に多く、(30くらい?)こういった手作り感のあるものもありました。
丹沢山塊は約100万年前の伊豆半島の衝突により隆起し誕生した山塊です。そのため、この沢の石は花崗岩が多いようですが
すぐ近くの白石沢は白っぽい大理石の石が多いのだとか。。(つり橋の手前に石と説明があったので、もっとちゃんと読めばよかった)
花びらに独特な柄のある「ホトトギス」と「シャジン」(岩シャジン?)はコース上で頻繁に見かけました。
みられるお花についてはこちら(西丹沢ビジターセンターHP)に詳しく掲載されています。
途中、たくさんのダムのわきを通りますが、水がきれいなので滝のように美しいダム…..
木橋を渡るときも、下の沢の美しさに見とれてしまいますが見とれすぎると危険です。。笑 夏だったら水浴びしたい。
歩き始めてから40分ほどのところにベンチ①があります。
その脇に鹿の食害防止のための柵が設置してあります。
実際、柵の中には植物がモサモサと繁茂していて、柵のない場所との違いが一目瞭然です。今回は鹿に遭遇することはありませんでしたが、鹿よ。。。。。そんなに食べていたのか。。という感じです
さて、歩き始めてから1時間弱ほど歩き沢とお別れすると、突然急登が始まります。わりと本当に急登が続きます笑
歩き始めてから1時間20分、ベンチ②が現れます。急登が続き、息が上がっているのでありがたいです。そしてびっくりしたのですが、登山道がとてもしっかり整備されていて、歩きやすいです。
(左)アセビがとても多かったです。(右)木々の隙間から対面の山肌を見るとちょっと紅葉が始まっているような?(+ナラ枯れ?)
両脇のコケが美しい登山道。(そして続く急登)
沢だけでなく、山中にもちょこちょこハシゴがあるので、注意して通過します。(たまに階段も。)
山頂から続く尾根に出ると、ブナやカエデが多く、とても気持ちのいい道です。
途中でガスが出てきました。(右)
生えている樹種はシデ、ハリギリ、桜などの落葉樹が多く、これからの時期、紅葉がとっても楽しめそうです。(半月後に来たい)
■山頂に到着!
幻想的な雰囲気の中を登っていくと山頂に到着です。
山頂は四方を木々に囲まれているため、眺望はあまり望めません。(冬は落葉樹が葉を落とし、少しは見えるそうです)
1292.6mの山頂です。登り始めから約3時間です。
山頂にも新しいベンチが設置されており、昼前なのでここで休憩します。
ベンチの前が少し開けており、チョビット「丹沢湖」が見えます。どれだかわかりますか?(右の写真)
山頂から100mほど進むと・・・・
【畦ヶ丸避難小屋】があります。去年の10月から使用開始とのことで、真新しくピカピカです。 行政の案内ページ
トイレもあります(使ってませんが)
小屋の周りにもベンチがいくつかあるので、ここでの休憩もいいですね!中には小屋日誌があり、皆さんの登山記録などがたくさん書き綴ってありました。
登りが急だっただけに、下りも急です。びっくりするくらい急~(階段がとてもありがたいです。)
途中、ちょっとドキッとする箇所がありました。
2019年の台風19号で崩れてしまった斜面と、コケの生えた階段です。
気を抜くと急な斜面に落ちてしまうので、気を付けて通過します。(がけ崩れの前はどうだったのか、今ではわかりませんね・・・)
ヘリで荷揚げしたような資材が登山道のわきにいくつもありました。少しだけのぞいてみたら、これは柵のようです。鹿対策でしょうか。地道な活動ご苦労様です。
屛風岩山(びょうぶいわやま)との分岐にベンチ③があります。
登山道の右側に食害対策らしい柵があり、柵の中は笹がモサモサ!鹿に食べられなければこんなに笹が生えているはずなのか・・と思うとびっくりです。
さきほどのベンチ③から少しいくと、沢と合流します。大滝沢に通じる沢です。標識も多く、歩きやすいです。
ちなみに携帯電話の電波(au)は沢沿い電波なし、稜線不安定、山頂は入りました。オンラインでしか使えない地図やバスの時刻などは前もって準備しておく必要があります。
こちらの沢も非常に美しく、一枚岩のようになっている個所もあります。沢歩きにも向いてそうかな?
そしてこちらも、浅い箇所で渡渉がちょこちょこあります。(木橋のあるところとないところがあります。)
山頂から下り始めて1時間20分ほどのところに、「一軒屋避難小屋」がありました。結構立派そうです。(中は覗いていませんが。。)
その少し先の沢の木橋はいつかの大雨でか、流されてしまっていました。毎回かけなおすのも本当に大変そうです。
途中で会った動物たち。
なんか向こうから歩いてくる…と思ったらヒキガエルでした。
あと沢蟹もいました。お二方、驚かせてすまぬ。
それと、山の中でたくさんのザトウムシ(めちゃ足が細長いクモみたいな虫)を見かけました。ザトウムシが他の虫の死骸を運んでいるのも見て、「肉食なんだなあ」と思いました。笑
この先、山に沿って進んでいくトラバース道が続くのですが、道が結構細い箇所が多く、注意が必要です。
場所によってはこのように木橋で補強してあったりします。
また、台風の影響でか、ハシゴが外れてしまっている個所もあり、こちらはロープを使って通過します。
山頂から2時間ほどで、「大滝」に到着。
到着といっても、沢は登山道よりかなり下のほうなので、見下ろす感じです。とても落差の大きな滝で、シャワークライミングをしている人たちもいました。水がキレイなだけに楽しそうです。(この日は涼しかったので、ちょっと寒そうかな?)
丹沢は秩父や奥多摩と並んで、沢歩きのスポットみたいですね。
大滝から10分ほどで、林道とぶつかり、そこからは林道を進みます。
看板にあった注意書きには以下の一文が。
「台風19号により、登山道の一部崩壊や倒木等があります。通行には一層の注意が必要で、難易度も通常より増しています。」
なんということでしょう。水が本当にきれいです。
出発から5時間20分でバス停に到着。お疲れさまでした~~。結構人が並んでいるかな・・?と思いきや、誰もおらず。30分くらいあったので、ゆっくりストレッチなどしてました。(バスはガラガラの状態で到着しましたが、このあと駅までの途中の停留所でわりと乗ったため、最終的には8割くらい?は埋まっていたかな?)
■登山道外の滝について
今回、登山道から外れた場所に落差の大きな、見ごたえのある滝がいくつもあったようです。
わたしは滝はそこまで・・・という人間なので、大滝以外は見ませんでしたが、こちらのサイト(外部サイト)で今回登山道外にあった「下棚」「本棚」「雨棚の滝」など紹介しているようなので、興味があれば安全に気を付けて見に行ってみてください。
■ヒルについて
今回、9月なので一応ヒルの活動時期ということで、塩を持参しました。(ヒルにかけるとうまく体からはがれてくれるらしい)
結果、1匹も遭遇せずには済みましたが、安全対策として、行かれる際は塩など持参してもいいと思います。
■おすすめ立ち寄りスポット
やまきたさくらカフェ
こちらも大野山レポの再掲載。
畔ヶ丸の近くにある大野山山頂の「薫る野牧場」さんのソフトクリームが食べらる、こじんまりとしたとてもすてきなカフェです。お天気のいい日は混雑するかも?(コロナウイルス関係の緊急事態宣言中は休業だそうです。)
■関連リンク
文中に登場したウェブサイトなど。
ふじはらレートについて このレートはふじはらが登った際の条件下(年、時期、天気、服装、アクセス方法等)に主観的に下した評価となります。たとえば、記事作成後に公営駐車場が整備されたとしても、記載がなければレートには反映されておりません。 あくまでも個人の感想とし、参考適度にお考えください。ちなみに、ふじはらが山行に行くのは自家用車が多めです。 |