甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根テント泊&周辺観光/山梨県(21年9月)

登山レポート
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山の状況は常に変化します。くわしくはこのウェブサイトについて

南アルプスの甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根経由)でテント泊をしてきたので、備忘録としていろいろ書いておきます。(レポートではありません)すべての情報は2021年9月現在の情報です。

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概要

黒戸尾根を選んだきっかけ

9月の観光シーズンの3連休はテント泊したいねーと旦那さんと話していたものの、出遅れ感(天気を見て判断したいというのもあり・・)のため、人気なテント場はどこも埋まっておりました。

南アルプスは毎年訪れており、今年も行きたいなー。甲斐駒ヶ岳はどうだろう?と珍しくツイッターで「甲斐駒ヶ岳」のワード検索をしたところ、「七丈小屋(しちじょうごや)」というワードを発見。

少しでも標高差の少ない、北沢峠からの往復しか考えてなかった
ヘタレな私は、北沢峠のテント場しか見ておらず、そこで初めて七丈小屋の存在を知りました。
そしてお電話すると、9/19の日曜日だけテント1張分空いているというじゃないですか。。。。。予約です。

七丈小屋の方
七丈小屋の方

「コースは黒戸尾根往復でよろしいですか?」(安全のため宿泊前後のコースを聞かれる)

ふじはら
ふじはら

「北沢峠からの往復を考えているのですが、黒戸尾根からの人が多いですか?」

 七丈小屋の方
七丈小屋の方

「だいたい8割くらいは黒戸尾根ですね。その日は他に1組だけ北沢峠コースの方がいます」

七丈小屋のおかみさん(?)がとても親切で優しくて癒されつつ、日本三大急登らしい黒戸尾根を自分が登れる気がせず、3日間くらい考えました。そして、先日の 北アルプスでのテント2泊で体力がついた実感もあったため、挑戦することに。
そのあとは、登山まで1週間ほどあったので、ジョギングを多めにして体力づくり(付け焼刃)をしました。

コースについて

黒戸尾根からの斐駒ヶ岳登山は、江戸時代から続く講登山(山岳信仰による登山)で使用されるルートだったそうで、登山道上にはたくさん、今まで見たことがない数の石碑や祠が祭られています。 ※七丈小屋HPにも講登山についての記事がありました。

黒戸尾根登山口(尾白川渓谷駐車場)から山頂までの標準コースタイムは9時間50分(ヤマプラより)。
水平移動距離8.4kmに対して、標高差は約2200m(2.2キロ垂直移動 笑)。
烏帽子岳のブナ立尾根(北アルプス)、谷川岳の西黒尾根と並ぶ「日本三大急登」らしいです。

(急登の斜度を比べている記事があったので、よかったらどうぞ→他サイトへ飛びます

黒戸尾根の難易度は?例えると?

①登山口から五合目まで

今回、トレランされてる方をたくさん見かけましたが、実際にハシゴの箇所や一部の急な段差を除けば、 五合目までは、 トレランに向いているとも言えそうな、とても歩きやすい樹林帯。(個人の感想です)

②五合目~甲斐駒ヶ岳山頂

五合目からは垂直のハシゴ・鎖場・岩登りがいくつもあるので、気が抜けません。
どのくらい気が抜けないかというと、「交通量の多い中央道での追い越し」「首都高でのスピード感のある合流」くらいかなと帰りに高速を運転していて思いました。(完全に個人の感想です)

尾白川渓谷駐車場のようす

雨の日の写真(9/18(土)15:00)
晴れの日の写真(9/19(日)5:15※翌日は祝日)

尾白川渓谷駐車場はトイレがめっちゃめちゃキレイで癒されます。
駐車場は広いです。手前に舗装した駐車場、奥に未舗装の大型駐車場があります。晴れの休日は5:30時点で7-8割くらいの埋まり具合でした。ただ七丈小屋のキャパを考えると、駐車できないほど埋まることは少ないのでは。。。?

七丈小屋のテント場のようすと感想

感想

・平(たいら)で寝やすい。時節柄の張数制限(20張)のおかげでスペースに余裕があり、張りやすかった
・大規模ではなく、こじんまりしたテント場。
・山小屋(トイレ&水場)⇔テント場まで5~8分歩く。その間に垂直梯子もある笑
・テント場が上下2か所に分かれており、上のテント場は芝生、下は砂地。
・トイレまでの距離を考えれば下のテント場一択だが、上の芝生のテント場は景色もさらによく、トイレが妥協できれば上にも張ってみたかった。。。。。。

・水が豊富なのは本当にありがたいし、(非常に衛生的&水飲み放題)南アルプスの天然水の湧き立ては甘かったーーーーーー!!
・8月の燕山荘のテント場では夜に寒かったので、今回は9月中旬ということで、ダウンパンツ+ダウンシュラフでしたが、思いのほか気温が高く(5-10度)、暑くなり夜中に寝袋のファスナーを開けるくらいでした。

・切り絵作家の後藤郁子さんは七丈小屋とゆかりの深い作家さんだそうで、その方がデザインされた手拭いがかっこよすぎたので、買ってみました。(この先5年はもったいなくて使えない・・・)

テント場の写真

黒戸尾根~甲斐駒ヶ岳山頂までの写真

黒戸尾根の感想

・山頂直下の岩場はこれ以上体重or荷物が重かったら登れなかったかも(今回は重いものはテント場にデポしたので身軽で山頂へ行きました。)
・日本三大急登、めちゃめちゃきついぞ…..と警戒してジワジワゆっくり歩いたおかげで、そこまできつくなかった
・登り、下りとも思ったほどキツくはなかったけど、下りで一気に2300m降ったらさすがにヒザが痛み始めたので、トレーニング必要(ポールは今回未使用です。)
・今回は男子と一緒なこともあり、重量のあるガスやポールを持ってもらったおかげで、荷物12~13キロで軽かった。
・「尾西のきのこごはん」は口に合わなかった(個人の感想ですが、山でのご飯は重要なので、もう持っていかないかな…)

・20代後半から岩場が少し苦手になってしまったので、垂直なはしごや鎖場、岩場は素直には楽しめませんでした笑
・下山後の足の筋肉痛はいままでで一番ひどかったかも?
・下山後、夜に寝返り打つときに筋肉痛で目が何度も覚めた
・下山後二日間はメンタル的にはめちゃくちゃ元気だったけど筋肉痛のため、一歩も外に出なかった(これは燕岳テント泊のときも同様。)

体力に自信のない人が黒戸尾根を登るには

今回、わたしが登る当たって気を付けたことを備忘録程度に書いておきます。
(もちろん、このほかにも、下調べを念入りにすることや、経験者/山小屋の方に話を聞くなど、安全のためにできることはあります。)

①ジョギング・登山などで体力を長期的につける

ジョギングは肺や足腰の強化に非常に効果的です。私の場合はかなりゆっくりなスロージョギングを週2回しています。(ほんとはもう少しできるといいけどなかなか…)

ご自身にとって少しキツイ程度の登山を繰り返すことも効果的です。普段の登り慣れた山でも、10キロの荷物を持って登れば、少しキツイ登山になったり。。
(短期的だと体を痛めるので長期的に取り組みましょう)

②コースタイムは長めに計画する

今回はヤマプラさんで平均コースタイムの1.3倍を目安としました。
結果的には登りは1.1倍、下りは1.2倍(休憩込み)でしたが、時間に余裕があることで、写真を撮れたり、好きな時に休憩したりできて心の余裕ができ、安全にもつながります。

③天気が悪い時には行かない

腕を使って登る岩場や、垂直にかけられたハシゴなどは言わずもがな、濡れると大変に危険です。あいにく天候が悪い日は、脇の日向山に登ってみてはいかがでしょうか。。。(こちらも良い山)

周辺観光のオススメ

9/18土曜日は、台風が日本の南岸を通過しており天候が不安定なため、下界観光をしました。
これが本当に楽しかった。。。。

道の駅蔦木宿

温泉施設&食堂が併設された道の駅。
食堂は個人的にはまぁまぁでした。
売店では、地域の加工品、おみやげのほか、
個人的にアツかったのは、食用ほうずきやサルナシ、ヤマボウシの実、ポーポー、アケビなど山の幸を取り扱っていたこと。
「シナノドルチェ」というリンゴを買ってみましたが、めちゃくちゃおいしかったです。

道の駅はくしゅう

季節的にあったものは、おいしそうな野菜や、さまざまな種類のブドウ、ナシ、リンゴなどの果物、地元のお酒やワイン、お土産品など、品物が豊富でした。(ただし晴れた休日の夕方にはめぼしいものは売り切れている)
こちらも食堂あり。(ランチのみ)
食堂の前にソフトクリーム屋さんがあり、山梨産の巨峰とバニラのミックスソフトを食べたらとてもとてもおいしかった。。登山後の体に染みます。

ここは湧水が自由に汲めますが、少し消毒してあるらしいです。(でも十分おいしい)
(道の駅入り口にあったアジサイの写真しかなかった・・・)

ゆーとろん水神の湯

周辺の温泉施設より少しだけ料金設定は高いですが(HPにクーポンあり)源泉かけ流しで湯質はいいし、近くにもう少し安い温泉があるおかげか、そんなに混雑しておらず、快適に入浴できます。
3日間の滞在で2回行きました。
こだわりの食堂が併設されており、こちらも2回利用。
冷たいお蕎麦が想像をはるかに超えて美味しかった。。トンカツももちろんおいしいです。

七賢(北原家住宅)
台ヶ原宿をブラブラしていたところ見つけた酒蔵。一部が無料で見学ができます。売店等あり。
スタッフさんがとても親切にお酒のことや台ヶ原宿の町のことなど教えてくださり、楽しいです。
また、日本酒の仕込みに使用しているとても澄んだおいしいお水が汲めます。美味しかった!

すぐ近くにある和菓子屋・金精軒さんも品ぞろえ豊富で楽しいです。

サントリー白州蒸溜所
時節柄、見学などはお休みで、できませんでしたが、サントリーのウイスキー白州が好きなので、いつか絶対に行きたいです。。

おまけ

三連休最終日の中央道は恐ろしかったです。
(この日は深夜1時ごろまで渋滞がなくならず、やむを得ず山梨にもう1泊★)

今回歩いたルートはこちら

(右下の「山行記録のページへ」のリンクをクリックするとヤマレコへ移動します)

登り始めの標高 769m / 最高地点の標高 2967m
訪れた時期 2021年9月中旬
当日のコースタイム(寄り道したりすることもあるので参考程度に。)
1日目 7時間23分 休憩24分 合計7時間47分(おおよそ)
尾白川渓谷駐車場05:31 – 05:37竹宇駒ヶ岳神社05:38 – 08:14笹の平分岐08:27 – 10:07刃渡り – 10:44刀利天狗10:45 – 11:39五合目小屋跡 – 13:18七丈小屋泊
2日目 9時間57分 休憩 2時間25分 合計12時間22分(おおよそ)
七丈小屋 – 03:56 – 04:53八合目御来迎場 – 06:17駒ヶ岳神社本宮06:19 – 06:33甲斐駒ヶ岳07:18 – 07:30駒ヶ岳神社本宮 – 08:27八合目御来迎場 – 09:03七丈小屋10:05 – 11:01屏風小屋跡 – 11:05五合目小屋跡11:21 – 12:00刀利天狗 – 12:25刃渡り – 13:44笹の平分岐 – 15:18竹宇駒ヶ岳神社
歩行距離 2日間合計約 18.5km

文中に登場したウェブサイトなど。

ふじはらレートについて
このレートはふじはらが登った際の条件下(年、時期、天気、服装、アクセス方法等)に主観的に下した評価となります。たとえば、記事作成後に公営駐車場が整備されたとしても、記載がなければレートには反映されておりません。
あくまでも個人の感想とし、参考適度にお考えください。ちなみに、ふじはらが山行に行くのは自家用車が多めです。

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