静かな山歩きが楽しめる百名山 四阿山(あずまやさん)/群馬県・長野県 (21年7月)

四阿山 ふじはらおすすめ
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山の状況は常に変化します。くわしくはこのウェブサイトについて

2021年の梅雨明け、ピーカンになった週末は群馬に出かけました。(梅雨明けでどこも混んでるだろうけど、北関東ならなんとなくマシかなあと思いまして。)
四阿山(あずまやさん)は、当日の朝、「群馬県の山」をペラペラ見ていて、なんとなーく気になったので、行った、という流れだったのですが、結果的には素晴らしい登山道を静かに歩くことができ、とても良かったので、レポートします。

ふじはらレート
好き度      ★★★★★・・・そんなにきつくない(当社比)、景色が素晴らしい、静か!
案内板の有無   ★★★★☆・・・道は明瞭
静かさ      ★★★★☆・・・山頂直下まではかなり静かでした
眺望       ★★★★☆・・・晴れていれば抜群
駐車場      ★★★★☆・・・公営駐車場(少し狭い)、トイレあり
(冬季は不明です)
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今回歩いたルートはこちら

(右下の「山行記録のページへ」のリンクをクリックするとヤマレコへ移動します)

登り始めの標高 1580m / 最高地点の標高 2354m
訪れた時期 2021年7月中旬
当日のコースタイム(寄り道したりすることもあるので参考程度に。)
鳥居峠 林道終点P09:02 – 09:37四阿山の的岩 – 10:32古永井分岐(2040m峰)10:46 – 11:51嬬恋清水入り口 – 12:19四阿山12:36 – 12:41四阿山三角点12:43 – 12:48四阿山- 13:16嬬恋清水入り口13:26 – 14:17古永井分岐(2040m峰)14:31 – 15:16花童子の宮跡 – 15:47鳥居峠 林道終点P着
歩行時間 約 5時間 40分
歩行距離 約 8.5km

山の四阿山(あずまやさん)の名前の由来

四阿山の名前の由来は大きく2つ考えられているそうで、

“山名の由来は、山の形があずまやの屋根に似ていることからと言われています。別の説では、日本武尊が東征の際、鳥居峠で自分の妻が恋しくなり「吾妻よ(我が妻よ)」と叫んだことから、としています。”  (ヤマレコ四阿山 紹介ページより引用)

四阿山の主な登山コース

ヤマレコのホームページにもあるように、一番登山者が多いのは長野県側の「菅平牧場」からの周回コースですが、今回紹介するのは2番目に紹介されている「信仰の名残を感じる古道ルート」です。
「パルコール嬬恋リゾート」のゴンドラを使用して登ることもできます。(週末限定です。詳しくはこちらで確認できます。)

山に行く前の下調べ

さて、まず山に行くときにはいくつかの方法で山について調べます。
今回は
①本で情報を得る →山と渓谷社さんの「群馬県の山」が、きちんと最新情報も反映されており、オススメです。
②YAMAP、ヤマレコで最近登った人からの情報を得る
③道路状況の確認(今回は2019年の台風19号の被害で登山口までの国道に工事中の箇所があったため)
④ヤマプラでコースタイムの確認
⑤山名でぐぐって予備情報の収集

をしました。
この結果わかったのが、今回の群馬側から登る「修験者ルート」はわりとマイナーで、ほとんどの登山者が長野側(菅平牧場)から登っているということ。
「修験者ルート」はあんまり良くないのか?と不安に思いつつ、本で紹介されているくらいだから、良いはず。。そして静かに歩けるのでは。と期待を寄せていざスタート。

山のアクセス

マイカーであれば、上信越道・上田菅平ICから19キロで「鳥居峠」。もしくは関越・渋川伊香保ICからゆらゆら71キロ(2時間)で「鳥居峠」。
ここから約3キロ砂利道で駐車場です。

公共交通機関でのアクセスには向かず、JR吾妻線・万座鹿沢口駅から、タクシー利用(約20キロ)となります。

レポート

鳥居峠から約3キロほど砂利道を進んでいくと、駐車場があります。
この砂利道ですが、今回は特に大きくえぐれているようなところもなく、二輪駆動車でも問題なく通れると思います。が、3キロはまあまあ長いので、車高が低いとちょっと嫌かもしれませんね。

駐車場はさほど大きくなく、10-15台ほど駐車できそうです。マイナー登山口だからこその規模という感じです。また、仮設トイレが1カ所あります。

仮設トイレの脇からスタートです。(仮設トイレはキレイです。)
群馬県側では「吾妻山」と表記することもあるそうで、「吾妻山国有林」と看板に書いてあります。

はじめは新緑が美しいカラマツ林を歩きます。(人工林でしょうか。)

10分ほど歩くと、ミズナラ林になります。
ミズナラ林をさらに10分ほど歩くと、ダケカンバが増えてきます。ここで標高1700mほど。雪が多いところと見えて、ササの背も高いですね。ただ、道はとても歩きやすく、明瞭です。

登山口から30分ほどで天然記念物の「的岩(まといわ)」に到着!
地図に載っていたものの、どんなもんかなーと思っていたら、突然、岩の壁が現れてびっくり。
とても全体像を写真に撮ることができないので、ぜひご自身の目で見てみてくださいませ~。

ここからもしばらくは樹林帯が続きますが、南側がところどころ開けており、浅間山などの山塊がよく見えます。
上の写真の一番左端が浅間山です。時々、噴煙が上がっているのも見えました。

標高1800m付近で、コメツガ、シラビソ、オオシラビソなどの針葉樹林が出現し、徐々に増えていきます。
1800mでもホトトギスが鳴いていましたが、こんな高いところにメスはいるのかしら。。。

北アルプス方面の眺望と、大量のトンボ

的岩から1時間弱で「2040m峰(古永井分岐)」に到着。
ここからは目を凝らすと、遠くに北アルプスも見えます。
「あずまやさん」のあずまやで一休みです☺

こちらは東屋の前に生えていた、綿毛のある植物。調べてみたら、「ミネヤナギ(ミヤマヤナギ)」というそうです。
水辺の好きなヤナギがこんな高いところに生えているのは不思議です。

東屋から先は、日向が増えてきますが、眺望もどんどん良くなっていきます。西側にはあいかわらず北アルプス方面が見えます。
目の前のピークは名無しピークです。

こんな感じで、左右、背後ととても開けた気持ちの良い登山道です。
ちなみに、我々がこのルートが気に入った一番のポイントが、とても静かなこと。
この日は日曜日でしたが、このルートですれ違ったのは1日で4組程度。たぶん長野側から登ったら、こんなものではないと思います。

山頂までの間には、いくつか階段も設置されています。
このコースは全体を通して、整備がされていて歩きやすいです。また、日向と木陰のバランスもよく、景色を楽しみつつ、直射日光に当たりすぎない。。という印象です。

「2040m峰(東屋があったところ)」から約1時間で、「嬬恋清水(つまごいしみず)」との分岐に到着。
母が疲れていそうだったので、いまはスルーして山頂を目指します。

「嬬恋清水」の分岐から先は日向が多くなります。
でも山頂まであと300m!
積雪の多い地域の案内板て曲がってる(倒れてる)ことが多いですよね。やっぱ雪の重みかな?

「嬬恋清水」の分岐から20分ほどで、山頂の尾根とぶつかり、ここで長野県側の登山口「菅平牧場」からのコースと合流します。

合流後は登山者が格段に増えます。

こちらの尾根も見晴らしが良いです。

四阿山 山頂に到着!

山頂に続く尾根に合流後、10分もかからず山頂のお社に到着!
山頂には社が2つあり、休憩するスペースもあります。

こんな感じで、主に南東側の眺望が抜群です。

さて、地図を見ると少し先に三角点があるようなので行ってみます。

ちょこーんと三角点の上にはお地蔵さんがいました。
意外なことに、「二等三角点」でした。
ここよりは山頂の方が、眺望がいいかな?

ちなみに今日歩いてきた道の3分の2は、群馬県嬬恋村と長野県須坂市の県境です。
ぐんま県境稜線トレイル」に指定されており、その看板もたまーに見かけました。

山頂から20分ほどで、湧水「嬬恋清水」の分岐まで戻ってきました。

分岐から5分ほどトラバース道をいくと、水汲み場があり、豊富な水が出ています。(前日に行った、野反湖畔の宮次郎清水より断然冷たい!!)
この水は標高2179mで湧く、関東最高地点の湧水だそうで、決して枯れず、昔から修行中の山伏などののどを潤していたそうです。(案内板より。)

とても美味しいお水だったので、10分の時間の余裕がある方はぜひ立ち寄ってみて下さい。

「嬬恋清水」から50分ほどで、東屋のある「2040m峰」に戻ってきました!

往路は「的岩」経由でしたが、復路は「花童子の宮」経由で下ります。
所要時間はどちらも同じですが、「花童子の宮」のコースは昔から修験道の道として使用されていたそうで、道すがらにたくさんの「祠」があります。

「修験道ということは険しいのかな?」という予想に反して、こちらの道もとても歩きやすいです。
たまにデーンと巨石が現れたりして圧倒されます。

こんな感じで、木の後ろだったり笹薮の中だったりもしますが、たくさんの祠を見ることができます。

こちらのコースも眺望のいいスポットはちょこちょこあります。
眼下に見えている町は「嬬恋村」と思われますが、けっこう小ぢんまりとしています。
左上の浅間山の山頂付近からは噴煙が上がっているのが見えますね。

定期的に草刈りがされているのか、明るくなっています。
石垣らしきものが残っています
説明書きの案内板があります

「2040m峰」から40分ほどで、「華童子の宮跡(げどうじのみやあと)」に到着!
ここは昔、里にある里宮と四阿山山頂の白山権現の中間地点として「中社(ちゅうしゃ)」があったそうです。
修験者(山伏)が加持祈祷という儀式を行っていたそうです。(案内板より)

ちなみに、ここ(華童子の宮跡)から10分ほど下ったところにも東屋があります。こちらもなかなか良い休憩スポットです。

さて、だんだんと樹林帯になってきました。
まずはカラマツ林、そして1700m付近まで下ってくると、ダケカンバとミズナラ林になります。(駐車場付近もまたカラマツ林だったかな)

どの森も美しく、良いところだな~~と癒されながら歩くことができます。
(こちらのコースでもホトトギスが鳴いていた・・・)

最後にきれいな水の小さな沢を渡渉したら鳥居峠の駐車場です。
おつかれさまでした。

四阿山で見かけた花々(名前がわからずスミマセン)

こちらを参考にさせて頂きました。→菅平高原花の100選

おすすめ立ち寄りスポット

日帰り温泉 とべの湯

電話:0279-98-0280
住所:群馬県吾妻郡嬬恋村鹿沢温泉

11時~19時半までと営業時間が長く、大人600円というお手頃な価格で源泉かけ流しの温泉に入れます。
こじんまりとした浴室&脱衣所です。(2021年7月時点)

文中に登場したウェブサイトなど。

コースからなにから、今回はこちらの本に掲載されていた内容を参考にさせて頂きました。
amzn.to

 

四阿山(あずまやさん)/ヤマレコHP
山の概要や、主だったコースがコンパクトにまとまっていますので、山に行く前に目を通すのがおすすめです。
www.yamareco.com
ふじはらレートについて
このレートはふじはらが登った際の条件下(年、時期、天気、服装、アクセス方法等)に主観的に下した評価となります。たとえば、記事作成後に公営駐車場が整備されたとしても、記載がなければレートには反映されておりません。
あくまでも個人の感想とし、参考適度にお考えください。ちなみに、ふじはらが山行に行くのは自家用車が多めです。

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